メニュー

ドライアイ

目は涙のバリアによって乾燥から守られています。しかし何らかの原因により分泌される涙の量が減ってしまったり、涙の成分に変化が起きてしまうと目を守る働きが正しく行われなくなります。ドライアイと呼ばれる症状であり、特に目の乾燥は大切な角膜や結膜を傷つけることにつながり、さまざまな目の問題が起こりやすくなります。

年齢問わず誰にでも起こりえるドライアイ

一般的に涙の分泌量は年齢とともに低下することがわかっています。しかしながら年齢問わず、ドライアイは誰でも起こりえる病気です。涙の分泌量に関しては個人差が非常に大きく、さらに日常的にパソコン作業をされる職種の方など、その方を取り巻く生活環境によっても大きく変化します。

ドライアイによる主な症状

  • 目に乾燥を感じる
  • 目がショボショボする
  • ゴロゴロとした異物感がある
  • 目が痛い
  • まぶしさを強く感じやすい
  • 目が疲れやすい
  • 目の周りが重い
  • 目がかゆい
  • 目になんとなく不快感がある
  • ものがかすんで見える

など

ドライアイが引き起こされる原因

代表的な原因として以下のようなものが考えられます。

空気の乾燥

 空気がひどく乾燥していると、当然のことながら涙も蒸発しやすくなってしまいます。例えば秋や冬の季節の変わり目などには特に空気が乾燥しやすくなるため、ドライアイを生じる患者さんが増加します。また夏場においてもクーラーの利いた部屋に長時間いると目が乾燥しやすい環境となるため注意が必要です。

まばたきが極端に少ない

 まばたきは涙のバリアを維持するために頻繁に行われています。しかしながら読書やパソコン、細かい作業などでものを集中し過ぎて見てしまうとまばたきの回数は極端に減ってしまいます。すると目が外気に触れる時間が長くなり、必然的に涙の蒸発量も増加します。さらに、まばたきの運動は涙腺を刺激して涙の分泌を促す役割も担っているため、まばたきの回数が減ってしまうと分泌量自体も減ってしまうことにつながり目の乾燥がさらに加速します。

コンタクトレンズの使用による影響

 コンタクトレンズには水分がたっぷりと含まれているものもありますが、時間の経過とともに自然と水分が蒸発し、コンタクトレンズが逆に涙を吸収し始めることがあります。さらに涙の水分が蒸発してしまうと目に乾燥やレンズによる痛みを感じやすくなります。

生活サイクルの乱れ

 睡眠不足は特に目に激しい疲れを感じさせる原因となったり、直接的にさまざまなダメージをもたらします。規則正しい生活を取り戻すことで目に対するストレスが解消され、症状が改善へと向かう場合があります。

加齢による影響

年齢を重ねるほどに涙の分泌機能が低下し、作られる涙の量も減ってしまいます。
その他にも涙腺の詰まりやマイボーム腺と呼ばれる油分の分泌に関わる場所に障害が起きるケースなど、さまざまな問題や疾患によってドライアイは引き起こされやすくなります。膠原病やシェーグレン症候群など他の病気が起因するケース、血圧の薬や精神疾患に用いられる薬の副作用によって涙の分泌量が減少してしまうケースなどもみられます。

診断に必要となる検査

涙液層破壊時間(BUT/Break Up Time)検査

目の角膜表面の涙をはじく程度を分析する専門的な検査です。10秒間まばたきをしない状態を保つことで目の表面の涙の状態を観察させていただきます。時間の経過とともに涙のバリアが均一に角膜表面を覆えているかを分析します。

当院の診療方針について

ドライアイの治療については、まずは目を乾きにくい状態へと潤いを与える改善が必要となります。目の細胞に直接働きかけて保湿成分を補充するジクアス点眼薬を使用する治療が基本となります。点眼薬の使用回数に関しては、その方の目の乾燥の程度に応じて調整が必要となります。

ドライアイの方のコンタクトレンズのご使用について

ドライアイの場合にも基本的にコンタクトレンズはご使用いただけます。ただし、乾燥の程度が重度の場合には、簡単な手術治療を用いた改善も検討されます。詳しくは医師までお問いあわせください。

日常生活の中で手軽に取り組める改善も意識して―

ドライアイは普段の生活習慣とも密接に関係しています。症状の軽減にあたっては、日常生活の中から改善できるポイントを見つけて積極的に取り組む姿勢が大切となります。

目を休ませる工夫を―

長時間のパソコン作業などは目を非常に疲れさせます。1時間作業を行った場合には15分程度目を休ませるように工夫するなど、目にかかる負担を軽減させる取り組みが有効となります。例えば温めたタオルをまぶたの上に乗せて目の周りの血流を良くしたり、定期的に遠くの景色を見るなどリラックスする時間を設けることも有効です。

意識してまばたきを行う

仕事や勉強など集中して作業を行う際にはまばたきの回数が減っています。まばたきが減ると涙のバリアが全体的に弱まり、涙の分泌量も減ってしまうことにつながります。意識してまばたきの回数を増やすなどといった工夫も大切です。

目の周りを優しくマッサージ

涙を分泌する涙腺まわりや油分の分泌を促すマイボーム線など、目の周りを優しい力で軽く抑えるだけでも分泌に良い刺激を与えられます。マッサージの際には手や指先を清潔にしておこなってください。

室内の加湿やエアコンの風向きなどにも注意を向けて―

空気の乾燥はドライアイの大敵です。室内の湿度が極端に低かったり、エアコンの風量が強過ぎたりすると空気が乾燥しやすく、ドライアイの症状も強く感じがちとなります。また、エアコンや送風機の風向きなども重要なチェックポイントのひとつ。風が直接当たらない場所へ移動したり、風向を変えることで症状を和らげることができます。

ドライアイが引き金となって重大な眼の疾患を招くことも―

異物感や目の疲れを感じたら早期に眼科をご受診ください

ドライアイの症状は誰にでも起こりやすい問題です。そのため軽く捉えがちになったり、違和感を長らく放置されてしまわれる患者さんも実際多くみられます。ドライアイの症状がきっかけとなって重大な目の疾患が引き起こされているケースも実際の診療現場ではみられます。目に異常を感じたら、できるだけ早期にご相談にお越しください。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME